旅人ごっこ2012年01月19日 21:31

寒い時期になると小さい頃、寝る時にやっていた旅人ごっこを思い出す。
当時、暖房器具がこたつしかなかった我が家は布団にもぐり込む迄はかなり寒かった。布団はせんべい布団で小汚い毛布と小汚い肌布団とで寝ていた。
小汚い二段ベッドの小汚い梯子に手をかけた時
旅人ごっこが始まる。
「どれ、今日の宿はこの洞窟にしよう。なあに、雨風をしのげればそれでよいのじゃ」と、じじくさい台詞を吐きながら二段ベッドの上に登る。
横にはなるが、まだ布団も毛布も掛けない。野宿なのだから。
「そうか、敵が来ぬように見張ってくれるというのじゃな。お前は賢い犬じゃのう」と、小汚いぬいぐるみのくまに話しかける。(どうやら敵に追われているようだ)
そのまま目をつぶって寝ようとするが、布団を掛けてないのでかなり寒い。
でも我慢。そのうち寒さで体がガタガタ震え始める。もう限界に近い。
そろそろか・・・
「これ、もし旅のお坊さま(坊さんだったのか?)どうぞよろしかったら
これをお使いなさいまし」と村娘が毛布を一枚だけ持ってやってくる。村娘の役も自分でやる。「これはありがたいことじゃ」と、1枚だけ毛布を掛けると
少し暖かい。少し幸せな気持ちになるが、そのうちまた寒くなってくる。
すると今度は村の若い衆が肌布団を持って来てくれる。また少し暖かくなった。
最後に村の長老がせんべい布団を持って来てくれてやっと眠りにつく。

・・・というようなバカな事を冬になる度、毎晩毎晩小学4年位迄やってた。
楽しくてしょうがなかった。
少し頭が悪い子だった。